ラディカルで画期的な本である。 内に抑圧を強め、外に軍事的圧力を高める習近平政権下の中国に対しては、いきおい強面イメージが優勢となる。そんな今、本書は同じ中国におけるリベラリズムの水脈を探りあてる。一時的に「失語」状態になったとして ...
世界中で「リベラル」という言葉が、かつてないほどの逆風にさらされています。 「リベラル」といえば、少し前までは「自由」や「寛容」を重んじる良識ある態度のことでした。
国際ニュースを見ると、ある国は軍事力を誇示し、またある国は国際会議での対話を強調します。なぜ、国によって、あるいは状況によって、これほど行動原理が異なるのでしょうか? それを読み解く鍵となるのが、国際政治学における2つの巨大なレンズ ...
『万民の法』(原著1999年、邦訳2006年、中山竜一訳)は、ロールズの晩年の著作であり、彼の理論を国際関係において展開したものである。『政治的リベラリズム』(1993年)以降の後期ロールズは、多様な意見が分裂する現実への適応をすすめ ...
ウクライナ戦争をはじめ、世界が急速に不安定化しているのはなぜなのか。評論家の中野剛志さんは「NATOの東方拡大がロシアを追い詰め、侵攻に踏み切らせてしまった。西側諸国が善意でやったことが、むしろ世界の平和を脅かしている」という――。
「この本は、古典的リベラリズムの擁護を目的としている」。著者は「寛容」と「中庸」こそ、リベラリズムの核心だと説く。経済的リベラリズムは、市場開放と自由競争を目指す。また政治的リベラリズムは、個人の自律を強調する。だがこれらが極端に ...
思想家、フランシス・フクヤマの最新刊『リベラリズムへの不満』が新潮社より刊行されている。冷戦の終結を予見し、自由民主主義の最終的な勝利を唱えた『歴史の終わり』から30年。地球規模の政治の混迷や、リベラリズムの危機的な状況を前に、世界 ...
冷戦の終結を予見し、自由民主主義の最終的な勝利を唱えた『歴史の終わり』から30年。地球規模の政治の混迷や、リベラリズムの危機的な状況を前に、世界的な思想家フクヤマはいま一体何を考えているのか。これからの現代政治を見ていくうえで欠かせ ...
これから読む予定の本2冊を前に、GPT-5で予習。 とくにカトリック的な基盤を持つ、パトリック・デニーンの政治思想については、まったく知らなかった。 そういえば、新しいローマ法王レオ14世もアメリカ出身(ペルー国籍)。なにかの暗合かな。 以前 ...
高市首相の台湾有事を巡る発言に中国が強く反発し、緊張感が高まっています。今後日本はどう対応するといいでしょうか。入山先生は「中国の牽制に過剰反応せず、粛々と、淡々と対応するのが良い」と話します。 高市早苗首相が国会答弁で、「台湾有事が起きた際に、日本が集団的自衛権を行使する可能性」に言及したことで、中国との対立が深まっています。
ネオリベラリズム。市場原理主義を連想させるサッチャリズムやレーガノミクスという言葉とともに想起する人も多いだろう。本書で社会学者である著者は、この概念がどう変化していったのかを様々な角度から丁寧に追跡していく。 もともとは自由放任の ...
EU離脱をめぐって渦中にある英国で10万部を超えるベストセラーとなり、世界23カ国で翻訳され、日本でも刊行された『西洋の自死 移民・アイデンティティ・イスラム』。同書は、欧州における移民問題を切り口に、「リベラリズム」がいかに死んでいくの ...