日銀は政策金利を0.75%と30年ぶりの高さに引き上げた。利上げに慎重とみられた高市早苗政権と日銀が折り合った背景には、金融緩和の調整が後手に回ることで円安が加速し、インフレや対米関係の悪化を招くとの危機感があった。日銀の利上げに向けた視界が開けたのは11月18日だ。「なるほどね」。首相官邸で植田和男総裁の説明を聞いた高市首相はこう相づちを打ったという。植田氏は物価を考慮した実質金利が大幅な ...
ニデック創業者の永守重信氏が経営の第一線から退く。19日付で代表取締役を辞任し、非常勤の名誉会長に就いた。創業から半世紀で売上高2兆円企業を築き上げた永守氏は「今後の経営は岸田光哉社長にすべて委ねる」とのコメントを発表。不適切会計を巡る第三者委員会の調査が進む中で、突然の退場となった。内部管理体制の改善に実効性を持たせることが必要になる。「ニデックの再生が最重要課題の今、私は経営から身を引くこ ...
政府から巨額支援を受ける「国際卓越研究大学」の審査結果が19日に公表され、東京大が「審査継続」となった。2024年に東北大が第1号となり、2回目の公募だった今回も東京科学大、京都大に先を越された。不祥事が相次いだことなどが背景にあり、新たな問題が発生すれば「審査打ち切り」となる瀬戸際に立たされている。「社会からの信頼回復に努め、自己変革を主体的に進める」。東大の藤井輝夫学長は19日、審査結果の ...
いつまで中国の威圧に振り回されるのか。国際社会は経済力と豊富な資源によって優越的な地位を築いた中国への依存を減らすだけでなく、対抗策も考えるときだろう。2024年12月、バイデン前米大統領が署名した大統領令「中国の経済威圧に対抗するタスクフォースの創設」がヒントになる。同盟・有志国との協力をうたった内容だ。着想は北大西洋条約機構(NATO)の根幹である北大西洋条約第5条にある。加盟国が武力攻 ...
吉田圭秀・前統合幕僚長はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「NIKKEI切り抜きニュース」で、輿論(よろん)と世論(せろん)の違いについて述べた。輿論は議論で練り上げられた意見、世論は大衆の感情、世間の空気だとして、SNSが「輿論の世論化」を進めてしまうと指摘した。よしだ・よしひで=防衛省顧問。陸上自衛隊の北部方面総監、陸上幕僚長、統合幕僚長などを歴任。吉田氏のインタビューをポッドキャストでお ...
【ワシントン、エルサレム=共同】米国務省高官は18日、ウィットコフ和平交渉担当特使が19日に南部フロリダ州マイアミで、カタール、トルコ、エジプトの高官とパレスチナ自治区ガザの和平計画の「第2段階」について協議すると明らかにした。トランプ米政権は第2段階への移行を急ぎたい考えで、イスラエルとイスラム組織ハマス双方に合意履行を迫る措置を話し合うとみられる。第2段階はハマスの武装解除や、治安維持に向 ...
自民党と日本維新の会は19日、市販薬と成分や効果が似る「OTC類似薬」に関する患者負担の詳細に合意した。保険適用を続けつつ、2026年度から処方箋を受けた患者に薬剤費の4分の1の追加負担を求める。政府は26年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。自民党の小林鷹之、維新の斎藤アレックス両政調会長が国会内で合意文書に署名した。患者に新たな負担を求めるOTC類似薬は77成分、1100品目が対象とな ...
【ジュネーブ=共同】国連総会は18日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ高等弁務官の後任に、イラク前大統領でクルド人のバルハム・サレハ氏を充てる人事案を承認した。これまで欧米出身者が務めることが多く、AP通信によると、中東出身者の就任は1970年代以来。紛争激化などで家を追われる人々は増加する一方、各国からの援助減少により国際 ...
「金利のある世界」を知らない世代にとっては未知の世界になります。日銀が0.75%への利上げを決め、30年間超えることのなかった0.5%の壁を破りました。「失われた30年」に社会人になった大半の日本人が知らない世界です。低金利時代に家計の住宅ローン残高はバブル期の2倍を超えました。一方、物価高で実質賃金はマイナスが続いています。資産運用の見直しは必要か。いまの仕事で大丈夫なのか。それぞれが将来の備 ...
日銀は19日の金融政策決定会合で政策金利を30年ぶりの高さとなる0.75%に引き上げると決めた。植田和男総裁は同日の記者会見で、今の金利水準がまだ金融環境を引き締めていないとの認識を示した。景気を熱しも冷ましもしない中立金利について「推計値の下限にはまだ少し距離がある」と述べ、利上げ路線を続ける意向を示した。日銀は同日の決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.5%から0 ...
19日の国内債券市場で長期金利の指標となる10年物国債利回りが節目の2%を超えた。2%台に乗せるのは19年半ぶりだ。長期金利の上昇は家計に様々な影響を及ぼす。プラスの影響は、預金金利などの利息収入が増える点だ。預入期間が長い定期預金や個人向け国債の金利は、長期金利に連動して上がりやすい。リスクを大きく取らずに得られる収入が増え、安全資産としての魅力が高まる。一方、マイナス面は、資金を借りる際 ...
【NQNニューヨーク=戸部実華】19日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の2026年1月物は前日比0.51ドル(0.9%)高の1バレル56.66ドルで取引を終えた。米国とベネズエラとの関係が悪化し、ベネズエラ産の原油供給が滞る可能性が意識され、買いが優勢になった。トランプ米大統領は19日に公 ...