【読売新聞】 戦火はいまだにやまない。それどころか、戦後の国際秩序は崩壊寸前の状態にある。 このまま大国が帝国主義の時代のように力ずくで覇権を争うことになるのか。それとも秩序は回復に向かうのか。あるいは新しい秩序が構築されるのか。世 ...
「法の支配」とルールに基づく戦後国際秩序が解体の危機に直面する中で迎えた新年である。新たな安定の形を見いだせない不安と不穏が世界を覆っている。
ドナルド・トランプ米大統領は2025年春、星条旗を背にホワイトハウスのローズガーデンに立ち、自由貿易に対する戦いを宣言した。
「2030年までにヨーロッパの中心で戦争が起きる」フランス政府は2025年7月、国民に警告した。ウクライナ停戦が実現しても、数年後にロシアは軍事力を回復して再びヨーロッパを脅かす――現在、これがヨーロッパの軍トップの多くに共通する見解だ。危機感の背景 ...
戦後80年の節目となった2025年が暮れる。日本人だけでも約310万人が命を落とした先の大戦。その惨禍を振り返り、教訓をつなごうと、多くの報道や書籍、作品が発表された。一方、世界では戦火が絶えず、対立や分断が深まる。私たちはこれから何を伝え、何を考え ...
1960年代から記者をしている私は、世界中で40以上の戦争を取材してきた。冷戦が頂点に達した後、ふっと消滅するのを見た。そして私は、2025年ほど気がかりな年は見たことがない。それは、複数の大規模な紛争が激しく同時進行中だからではない。むしろ、そのう ...
「ソ連崩壊」「米国の金融危機」などを予見したフランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏。激動の2025年を振り返り、世界情勢について語ってもらった。AERA 2025年12月29日-2026年1月5日合併号より。
三つ目は、影響というよりも理解すべき米国の態度についてです。米国は自分の古い帝国内にいる国々から搾取したり、戦争を引き起こしたりしていますが、これらの国を「使いたい」だけではないのです。そういった国々にルサンチマン(鬱積)を抱いているのです。
共通する力点は、リアルな国際政治、安全保障像の追求であり、それをいかに読み解くかです。何とも単純な話です。崇高な学問的問いの探求ではありません。美しい理論でも、膨大な数量データの分析でも、重厚な歴史でもありません。
東アジアの情勢は中国が問題。昨今の日中関係の原因は、高市早苗首相の国会答弁が「中国を怒らせた」という報道が圧倒的だが、これは正しくない。もともと、高市首相と習近平国家主席の関係はある意味で良好だった。10月31日の日中首脳会談では高市首相は物怖じせず ...
ウクライナのゼレンスキー大統領も、その理念は欧州と同じで国際法による正義の実現であり、自国を欧州の自由と民主主義を守る戦士と考えている。領土については、1991年の独立時の国境回復が原則であるが、トランプ米政権誕生を念頭に24年末より、安全の保証が得 ...
“体制転換後”の政治基盤になりうる勢力が不在のイランは、かつてのアフガニスタンやイラクとは異なっている。イスラエルの攻撃から受けた被害は甚大とはいえ、一方で地上戦力は温存されたことも見逃せない。仮にハーメネイー最高指導者の暗殺などでイスラーム共和制が ...