十兵衛のラストジャーニーは晩年の十兵衛と日本各地を旅するロードムービーだ。その中でも毎年訪問している東北の被災地は白眉となる。そこでさまざまな回想シーンを挿入するのだが、ひとつ問題がある。2011年の私は写真家として活動はしていたが、動画はほとんど撮っていなかった。写真は豊富にあるが動画がほとんどない。あるのはiPhone4で撮影した画質の劣るものだ。どうしたものかと悩んでいたらここ1,2年のAIの進化で映像ソフトが著しく進歩し、観るに耐えうるものに修正できるようになってきた。 この映像は、十兵衛が被災地で負傷し、医師から「地面を歩いてはいけない」と言われた後、再び避難所を訪れたときのもの。どうしようか迷ったが、子どもたちとの約束は守りたかった。子どもたちの多くはペットを津波で失っていたが、自分の愛犬を十兵衛と重ねる子が多かった。 技術の進歩と「ラストジャーニー」の完成度の進化については、さらに大きなトピックがあるのだが、それはまた別の機会に | 空飛ぶわん 十兵衛のラストジャーニー